Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(一)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(一) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 47.663 Zeichen · 97 Bildschirme
わたしの叔父もそれを聴いた一人であった。
お文の幽霊を草双紙のなかから見つけ出した半七の鋭い眼力を、Kのおじさんは今更のように感服した。浄円寺の住職はなんの目的でお道に恐ろしい運命を予言したか、それに就いては半七も余り詳しい註釈を加えるのを憚っているらしかったが、それから半年の後にその住職は女犯の罪で寺社方の手に捕われたのを聴いて、お道は又ぞっとした。彼女は危い断崖の上に立っていたのを、幸いに半七のために救われたのであった。
「今も云う通り、この秘密は小幡夫婦と私のほかには誰も知らないことだ。小幡夫婦はまだ生きている。小幡は維新後に官吏になって今は相当の地位にのぼっている。わたしが今夜話したことは誰にも吹聴しない方がいいぞ」と、Kのおじさんは話の終りにこう付け加えた。
この話の済む頃には夜の雨もだんだん小降りになって、庭の八つ手の葉のざわめきも眠ったように鎮まった。
幼いわたしのあたまには、この話が非常に興味あるものとして刻み込まれた。併しあとで考えると、これらの探偵談は半七としては朝飯前の仕事に過ぎないので、その以上の人を衝動するような彼の冒険仕事はまだまだほかにたくさんあった。