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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(一)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(一) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 47.663 Zeichen · 97 Bildschirme

Aozora Bunko

二

そのおどおどしている眼の色がいかにも偽りを包んでいるようには見えないので、兄は考えさせられた。

「そんな事がまったくあるかしらん」

どう考えても、そんなことが有りそうにも思われなかった。小幡が取り合わないのも無理はないと思った。松村も「馬鹿をいえ」と、頭から叱りつけてしまおうかとも思ったが、妹がこれほどに思い詰めているものを、唯いちがいに叱って追いやるのも何だか可哀そうのようでもあった。殊に妹はこんなことを云うものの、この事件の底にはまだほかに何かこみいった事情がひそんでいないとも限らない。いずれにしても小幡に一度逢った上で、よくその事情を確かめてみようと決心した。

「お前の片口ばかりでは判らん。ともかくも小幡に逢って、先方の料簡を訊いてみよう、万事はおれに任しておけ」

妹を自分の屋敷に残して置いて、松村は草履取り一人を連れて、すぐ西江戸川端に出向いた。

二

小幡の屋敷へゆく途中でも松村はいろいろに考えた。妹はいわゆる女子供のたぐいで、もとより論にも及ばぬが、自分は男一匹、しかも大小をたばさむ身の上である。武士と武士との掛け合いに、真顔になって幽霊の講釈でもあるまい。