Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(二)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(二) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.865 Zeichen · 432 Bildschirme
打ち払った。その隙をうかがって小さい影は掻いくぐって逃げようとしたが、大きい影はその掴んだ手を容易にゆるめなかった。長次郎に卒堵婆を叩き落されて、大きい影がそこに引き据えられると同時に、小さい影も一緒に倒れた。袂から呼子の笛を探り出して、長次郎がふた声三声ふき立てると、それを合図に銀蔵が枯枝の大松明をふり照らして駈け付けた。
松明の火に照らし出された二人の影の正体は、二十四五の大男と十四の小娘とであった。銀蔵は先ずおどろいて声をあげた。
「あれ、まあ、善吉どんにお竹っ子か」
男は佐兵衛の兄の善吉であった。娘はかのおこよの妹のお竹であった。自分の弟の松葉いぶしに逢ったのを小女郎狐の仕業と確信することの出来ない善吉は、その墓をあらす者をも併せて疑って、果たしてそれが狐であるか無いかを確かめるために、かれは誰にも知らさずに昨夜もこの墓場に潜んでいると、夜の明けるまで何者も忍んで来る形跡はなかった。きょうの午前に、かれが村はずれの休み茶屋を通りかかると、茶屋の女房が客を相手に小女郎狐の噂をしていた。それがふと耳にはいったので、彼は店さきの榎のかげに隠れて立ち聴きをしていると、隣り村の平太郎の噂が耳にはいった。