Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(二)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(二) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.865 Zeichen · 432 Bildschirme
やっぱり気ちがいでしょうかね」
「気ちがいかなあ」と、半七は相手をじらすように笑っていた。
「だって、おまえさん。猫じゃ猫じゃでも踊りゃあしめえし、手拭をかぶって、浴衣を着て、跣足でそこらをうろうろしているところは、どうしても正気の人間の所作じゃありませんぜ。ねえ、そうでしょう」と、庄太は少し口を尖らせた。
「それもそうだが、まあ聴け」
半七は再び彼にささやくと、庄太はだんだんに顔を崩して笑い出した。
「なるほど、なるほど、いや、どうも恐れ入りました。きっとそれです、それに相違ありませんよ」
「ところで、それについて何か心あたりはねえかな」
庄太は更に顔をしかめて考えていたが、やがて両手をぽんと打った。
「あります、あります」
「あるかえ」
「もし、親分。こういうお誂え向きのがありますぜ」
今度は庄太がささやくと、半七はほほえんだ。
「もう考えることはねえ。それだ、それだ」
二人は手筈をしめし合わせて一旦別れた。半七はそれから小梅の知己をたずねて、夕七ツ(午後四時)を過ぎた頃に再び庄太の家をたずねると、となりの葬式の時刻はもう近づいて露路のなかは混雑していた。ふだんから評判のよくない母子ではあったが、それでも近所の義理があるのと、もう一つにはお作の横死が人々の同情をひいたとみえて、見送り人は案外に多いらしかった。