Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(二)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(二) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.865 Zeichen · 432 Bildschirme
女の行者はお局様とかお姫様とかいっているだけで、ほんとうの名はわかりません。五十ばかりの家来の男は式部といっているそうで、どうも上方生まれに相違ないようです。十五六の小娘は藤江といって、これもなかなか容貌がいいんですけれど、行者のほんとうの妹か身寄りの者か、そこはよく判らないそうです。台所働きはお由とお庄というんですが、これは飯炊きや水汲みに追い使われているだけで、奥の方のことは何も知らないようです」
「ゆうべも云ったことだが、祈祷をたのむ者のほかに誰も出這入りするらしい様子はねえのか」と、半七は念を押して訊いた。
「わっしもそこが大切だと思って近所の者によく訊いてみたり、お由という女中が外へ出るところを捉まえて、それとなく探りを入れて見たんですが、まったく誰も出這入りをするらしい様子がないんです」
「夜になって祈祷をたのむ奴が幾人ぐらい来る」
「それがこの一と月ほどは一人も来ねえそうです。頼む奴が来ねえのじゃねえ、行者の方でなにか身体がわるいとかいうので、夜の祈祷はみんな断わっているんだそうです。だが、その中でたった一人かかさずに来る奴があります」
「紙屋の息子か」