Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(二)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(二) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.865 Zeichen · 432 Bildschirme
権十郎息子の顔色がひどく蒼ざめて来た。
「まあ、こういうわけで、店の若い者や小僧なんぞは、若旦那は気が違ったらしいと云っているんです」と、源次は説明した。
「むむ、気が違ったかも知れねえ」と、半七はほほえんだ。「相手はすばらしく美しい行者というじゃあねえか」
「そうです、そうです。むこうが若い美しい行者で、こっちが権十郎息子というんですからね」と、源次も笑った。
しかし半七は笑ってばかりもいられなかった。単にこれだけの事件であるならば、問題は案外に単純であるが、かの怪しい行者は勤王とか討幕とか、京都の公家の娘とかいう、大きな背景を持っているらしいだけに、半七は迂濶に彼女に手をつけることが出来なかった。軽はずみのことをして、たとい本人だけを引き挙げたところで、ほかの徒党を取り逃がしてしまっては何もならない。うまく工夫して彼等の一類を一網に狩りあげることを考えなければならない。半七は源次に云いつけて、これから毎夜茅場町の近所に網を張って祈祷所へ出入りするものを偵察させることにした。
その日の夕方になって、多吉が再び来た。
「親分、どうも思うような種はあがりませんよ。