Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(二)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(二) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.865 Zeichen · 432 Bildschirme
半七は黙ってその顔色をうかがっていると、式部は案外におちついた声で云った。
「町人、これはなんでござる」
「御覧の通りでございます」
「どういうわけで、かようなものを持ってまいられた」と、式部は箱のなかの品を睨みながら云った。
行者も横目にその箱をのぞいて、これもにわかに顔の色を変えた。傍にひかえている藤江も伸びあがって一と目みて、身をふるわせるように驚いたらしかった。半七が神前に奉納した箱のなかには、泥だらけの古草履が入れてあった。
「こなたの母には何か付き物がしているとか云うが、こなたにも付き物がしているらしい」と、式部の声はだんだんに尖って来た。「当座のいたずらか、但しは仔細あってのことか。いずれにしても怪しからぬ儀、御神罰を蒙らぬうちに早くお起ちなさい」
「お叱りは重々恐れ入りました」と、半七はあざ笑った。「併しそこにおいでになる行者様は何もかも見透しの尊いお方だとうけたまわって居ります。それほどのお偉いお方がその箱のなかにどんな物がはいっているか、初めからお判りになりませんでしたろうか」
式部もすこし返事に詰まっていると、半七は畳みかけて云った。