Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(二)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(二) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.865 Zeichen · 432 Bildschirme
かれの目ざしたのは七兵衛であるらしかったが、七兵衛があわてて身をかわすと同時に、かれの利き腕はもう俊之助に掴まれていた。彼はもんどり打って大地へ叩き付けられた。這い起きようとする其の腕を、今度は七兵衛がしっかり押え付けてしまった。
「飛んで火に入るとかいうのは此の事で、実に馬鹿な奴ですよ」と、半七老人は云った。「いくらこっちが油断しているだろうと思ったにしても、剣術つかいと御用聞きとが向い合っているところへ、自分から切り込んでくる奴もないもんです。ふたりの話を立ち聴きしていて、こりゃあ自分の身の上があぶないと思ったからでしょうが、あんまり向う見ずの奴ですよ。そいつはやっぱり猟師の作兵衛という奴で、槍突きはまったくこいつの仕業だったんです。年は三十七八で、若いときに甲州の山奥で熊と闘って啖い切られたというので、左の耳が無かったそうです。頬にも大きい疵のあとがあって、口のまわりにも歪んだ引っ吊りがあって、人相のよくない髭だらけの醜男だったということです」
「その猟師がなぜそんなことをしたんでしょう。気ちがいですか」と、わたしは訊いた。
「まあ一種の気ちがいとでもいうんでしょうかね。