Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(二)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(二) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.865 Zeichen · 432 Bildschirme

Aozora Bunko

殊にその本人の英善がゆうべから戻って来ないのであるから、諸人はいよいよこの奇怪な出来事を信ずるよりほかはなかった。唯ここに残された問題は、英善がゆうべこの狐にたぶらかされて、その衣類や持ち物を奪われたのか、或いはその以前から本人の正体はどこかへ消えてしまって、狐が住職になり澄ましていたのかということで、その疑問は容易に解決されなかった。

無総寺の寺男の話によると、夜なかに門前で頻りに犬の吠える声を聴いたというのである。英善に化けた狐は犬の群れに追いつめられて、この溝のなかへはまり込んで死んだのであろうと彼は云った。ほかの人々もそんなことであろうと思った。

「なるほど、そういえば此の頃は、うちの御住持さまは大変に犬を嫌っていなすった」と、時光寺の納所も云った。

以前はそうでもなかったが、この一、二ヵ月まえから住職の英善がひどく犬を嫌うようになったことは、納所の善了も寺男の伴助も認めていた。これらの事実を綜合してかんがえると、人間の英善はこの夏の末頃から消えてなくなって、狐の英善が住職になり代っていたらしい。伯蔵主の狐や茂林寺の狸のむかし話なども思いあわされて、諸人も奇異の感にうたれながら、とにもかくにも一ヵ寺の住職の身のうえにこういう椿事が出来したのであるから、単に不思議がってばかりはいられなかった。