Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(二)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(二) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.865 Zeichen · 432 Bildschirme
時光寺からは有りのままに届け出て、寺社奉行はその詮索に取りかかったのであった。
時光寺の納所も小坊主も寺男も、みな厳重に吟味された。奇怪な死体をはじめて発見したという無総寺の寺男も勿論取り調べられた。しかも彼等の口から何の手がかりを聴き出すことも出来なかった。住職は近頃犬を嫌うようになったという以外には、時光寺の者共も別に思い当ることはないと申し立てた。もしや住職の死骸を発見することもあろうかと、時光寺の床下や物置や、庭の大木の根もとなどを掘り返してみたが、死骸はおろか、それかと思われるような骨一つすらも見いだされなかった。檀家の主なるものも調べられた。その当夜、自宅の仏事に時光寺の住職を招いたという根岸の伊賀屋嘉右衛門も吟味をうけたが、伊賀屋でも当夜の住職の挙動について別に怪しい点を認めなかったと答えた。
寺社奉行の方でもこの上に詮議のしようもなかった。時光寺の住職はゆくえ不明になって、いつの間にか狐がその姿になりかわっていたというほかには、なんとも判断のくだしようもないので、その詮議はひと先ずこれで打ち切ることになった。
二
九月の末には陰った日がつづいた。