Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(五)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.744 Zeichen · 434 Bildschirme
「はい」と、女房は不安らしく答えた。
「お福さんはまったくここへ来なかったのかえ」と、半七は訊いた。「お前さんも知っているだろうが、菊園の店にもいろいろの取り込みがある。その最中にお乳母さんがまた見えなくなっちゃあ実に困る。それで、わたし達も方々を探しているのだが、お前さんの方にはなんにも心あたりはありませんかね」
「御心配をかけまして相済みません。けさもお店からお使がございましたので、親父も伜もびっくり致しまして、取りあえず手分けをして探しに出ましたが、まだ帰って参りません」
言葉少なに挨拶しながらも、困惑の色が女房の顔にありありと浮かんでいた。何事も承知の上でシラを切っているのか、まったく何事も知らないのか、半七にも容易にその判断が付かなかった。
「どうも困ったな」と、半七はわざとらしく溜め息をついた。
「ほんとうに困ったことでございます」と、女房も溜め息をついた。「娘は気の小さな正直者でございますから、玉ちゃんが見えなくなったのを苦に病んで、皆さんに申し訳がないと思って、どこへか姿を隠したのか、それとも淵川へでも身を投げたのかと、親父も心配して居ります」