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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(五)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.744 Zeichen · 434 Bildschirme

Aozora Bunko

「実は……。お前さん達の前じゃあ云いにくい事ですが……」と、半七は渋りながら答えた。「誰かが船底へ細工をして……」

「やっぱりそんなことを云って居りますか」

「お部屋さまを沈めようとした……」

云いかけて相手の顔色を窺うと、お富は黙って考えていた。

「そんなことを云っちゃあなんですが……。どこのお屋敷でも、奥さまとお部屋さまとは折り合いのよくないもので……」

「あれ、お前さん。飛んでもない」と、お富はたしなめるように云った。「それじゃあ奥さまが何か細工をして、内の娘を沈めたとでも云うのですかえ。そりゃあ違います、大違いです。お屋敷の奥さまに限って決して決して、そんな事をなさるような方じゃありません。奥さまはまことに結構なお方で、それはわたしが請け合います。一体お前さんはそんなことを誰に聞いたのです」

激しい権幕で詰問されて、半七も少しく返事に困った。

「いや、奥さまに限ったわけじゃあありませんが、お屋敷には大勢の男もいる、女もいる。その大勢のうちには自然こちらの娘さんと仲の悪い者も無いとは云えません。何かのことで娘さんを恨んでいる者も無いとは限りませんから……」