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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(五)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.744 Zeichen · 434 Bildschirme

Aozora Bunko

「悪いときには悪いもので、親類うちに又不幸がありまして、親父はゆうべから戻りません」

遠方を来たのであるから、まあゆっくり休んで行けと、お富は云った。どう見ても、悪意の無さそうな女である。引き留められたのを幸いに、半七は坐り込んで煙草を吸いはじめると、浅草寺の八ツ(午後二時)の鐘がきこえた。

四

半七とお富と、初対面の二人のあいだに変った話題はない。殊に今の場合であるから、話は当然かの一件をくり返すことになって、娘をうしなった母の眼からは、また今さらに新らしい涙が湧いた。お富の話によると、亭主の長五郎も正直な職人気質の人物であるらしく、娘は多年御恩を受けた殿さまのお供をしたのであるから、死んでも悔むことは無いと云っている。又、それに就いて、お屋敷の御迷惑になるような事は決して口外してはならないと、女房らをも堅く戒めているとのことであった。

「親方の御料簡はよく判っています」と、半七も同情するように云った。「しかし世間の口はうるさいもので、今度の一件に就いてもいろいろの噂を立てる者がありますよ」

「どんなことを云って居ります」と、お富は眼をふきながら訊いた。