Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(五)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.744 Zeichen · 434 Bildschirme
「それに就きまして、親分さん。もう斯うなれば正直に申し上げますが……」
あちらへ行けと眼で知らされて、お富は不安そうに立ち去ると、そのうしろ姿を見送って、長五郎はささやくように云い出した。
「こんなことを女房に云って聞かせますと、余計な心配も致しますし、女は口の軽いもので又どんなおしゃべりをしないとも限りませんから、実は女房にも隠して居りましたが、去年の十月、娘が寺参りながらここへ参りました時に、女房はちょうど留守でございまして、わたくしと差し向かいで暫く話して帰りましたが、その時に娘の口からちらりと聞いたことがございますので……」
「むむ」と、半七も思わずひと膝乗り出した。「どんなことを聞かされたね」
「別に取り留めた事でもないのですが……」と、長五郎はまた躊躇した。
「ここでおめえが何を云おうとも、おれはみんな聞き流しにする。おめえは勿論、屋敷へも決して迷惑はかけねえ。遠慮無しに話してくれ」と、半七は催促するように云った。
「はい」
「いつまでも焦らしていちゃあいけねえ。おれだって洒落や冗談に訊いているのじゃあねえから、そのつもりで返事をしてくれ」
半七もやや焦れて来た。