Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(五)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.744 Zeichen · 434 Bildschirme
その後はどうしているのか知りませんが、十日目か半月目ぐらいに帰って来て、暫くいるかと思うと又どこへか出て行って、家の人のような、よその人のような工合いで、出たり這入ったりしていました。そのうちに、この四月の初めでした。ハリソンさんが本牧の写真を撮りに来て、そのついでにこの家へたずねて来ますと、丁度その時にお角も来ていて、ハリソンさんと顔を見合わせてお互いにびっくりした様子でした。ハリソンさんは去年の九月、江戸の団子坂で菊人形を見物しているときに、女の巾着切りに逢いました。それが間違いのもとで、ハリソンさん夫婦も連れのヘンリーさんも、大勢に追っかけられてひどい目に逢いました。そのときの巾着切りがお角であったそうで、思いがけない再会に、ハリソンさんも一旦はおどろきましたが、お角はどこまでも自分が取ったのではないと云い張ります。わたしの先生もハリソンさんを宥めて、この女は自分の親類で、決して悪いことをする者ではないと、いろいろに弁解しましたので、ハリソンさんもようよう納得しました。尤も団子坂でお角をつかまえた時に、お角はなんにも持っていなかったと云いますから、確かに巾着切りだという証拠も無いわけです。