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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(五)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.744 Zeichen · 434 Bildschirme

Aozora Bunko

こんにちと違って、その時代における日本馬と西洋馬との相違は、誰が眼にも容易に鑑別される筈であった。第一に鞍といい、鐙といい、手綱といい、いっさいの馬具が相違しているのであるから、いかなる素人でも西洋馬と知らずに牽き去るはずがないと、彼は思った。

なにか手がかりになるような拾い物はないかと、一応はそこらを見まわしたが、何分にも草深いので探すことは出来なかった。ともかくも地つづきの百姓家へたずねて行って、その日の様子を訊いてみようと、二人は引っ返して歩き出そうとする時、幸次郎は小声であっと云った。半七も振り向いた。

江戸は繁昌と云っても、その頃の江戸市内に空地はめずらしくなかった。三百坪や四百坪の草原は到る所にある。まして半分は田舎のような根津のあたりに、このくらいの草原を見るのは不思議でもなかったが、ここの空地は取り分けて草が深い。その草のあいだに、古い小さい祠のようなものが沈んで見えるのを、二人は最初から知っていたが、今や彼等を少しく驚かしたのは、祠のうしろから一人の女の姿があらわれ出でたことであった。

女は五十以上であるらしく、片手に小さい風呂敷包みと梓の弓を持ち、片手に市女笠を持っているのを見て、それが市子であることを半七らはすぐに覚った。