Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(五)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.744 Zeichen · 434 Bildschirme
「じゃあ、かたき討も嘘ですか」
「まあ、こういうわけです。野口武助の親父は武右衛門といって、屋敷の金蔵番であったのは本当です。せがれの武助は放蕩者、同藩中の森山郡兵衛と共謀して、自分のおやじが鍵預かりをしている金蔵へ忍び込み、五百両の金をぬすみ出して出奔した。こんな事をすれば親父に難儀のかかるのは知れ切っているのに、実に呆れた不忠不孝の曲者です。果たしてそれが為に、親父の武右衛門は切腹したそうです。ところで、本街道を行くと追っ手のかかる虞れがあるので、武助と郡兵衛は廻り道をして丹波路へ落ちて来ると、郡兵衛は武助を途中で撒いて、どこへか逃げてしまいました。勿論、例の五百両は郡兵衛が持ち逃げをしたわけです。
これには武助もおどろいたが、表向きに訴えることも出来ません。なにしろ江戸へ出る約束になっていたのですから、郡兵衛も大かた江戸へ行ったろうという想像で、武助はそのあとを追って江戸へ出て来ましたが、一万石の故郷とは違って江戸は広い。いかに根よく探し歩いたところで、容易に知れる筈はありません。そのうちに懐中は乏しくなる。根が悪い奴ですから、お定まりの浪人ごろつきとなって、強請や追剥ぎを商売にするようになりました。