Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(五)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.744 Zeichen · 434 Bildschirme
伝蔵という男は、まあ何という奴か。妹にも早く思い切らせて好かったと、その時つくづく思いました。ところが、お前さん。それから五、六日の後に、その伝蔵がたずねて来ましたので、わたし達はぎょっとしました」
「そこで、どうしたね」
「伝蔵はもう近所で探って来たと見えまして、お熊のいない事を知っていました。どこへ行ったと頻りに訊きましたが、わたし達は知らないと云い切ってしまいました。お熊は断わりなしに家出をして、今どこにいるか判らないと、飽くまでも強情を張り通しました。それでは今夜だけ泊めてくれと云いまして、ここの家にひと晩泊まりまして、あくる朝出るときに路用の金を貸してくれと云いましたが、わたし達の家に金なぞのある筈はありません。それでも幾らか貸せとゆすりますので、銭三百をかき集めてやりました」
「それで、おとなしく立ち去ったのか」
「お尋ねの身の上だから、うかうかしてはいられないと、自分でも云っていました」
本来ならば、伝蔵が一泊したのを幸いに、宇兵衛から村役人に訴え出るべきである。それをそのままにして、しかも幾らかの銭を貸してやったのは、自分の重々の落度であるが、何分にも伝蔵が恐ろしくて、どうすることも出来なかったと、宇兵衛夫婦は云った。