Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(五)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.744 Zeichen · 434 Bildschirme
それは人形でもなく、拵え物でもなく、確かに正真の人間であるので、木戸番もびっくりした。
こういう興行物に変死人などを出しては、それこそ商売に障るのであるが、所詮そのままで済むべきことではないので、事件は表向きになった。
二
長助に踏まれた時には、女はまだ生きていたらしいが、それを表へ運び出して近所の医者を呼んで来た時には、まったく息は絶えていた。医者にもその死因は判然しなかった。恐らくかの幽霊におどろきの余り、心の臓を破ったのであろうと診断した。検視の役人も出張ったが、女の死体に怪しむべき形跡もなかった。からだに疵の跡もなく、毒なども飲んだ様子もなかった。
ほかの観世物と違って、大勢が一度にどやどやと押し込んでは凄味が薄い。木戸口でもいい加減に人数を測って、だんだんに入れるようにしているのであるが、かの女は長助のはいる前に木戸を通った者である。女のあとから一人の若い男がはいった。それから男と女の二人連れがはいった。その三人はいずれも右の路を取って、無事に出てしまった。その次へ来たのが長助である。して見ると、かの女は大胆に左の路を行って、赤子を抱いた幽霊におどかされたらしい。