Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(五)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.744 Zeichen · 434 Bildschirme
疵のあとを残さない用心といっても、わざわざ鉄槌を持ち出して行くのは、ふだんから手馴れている為だろうと思ったんです。本人の清五郎の白状によると、まだ驚いた事がありました。お半のあたまを鉄槌でがんとくらわしたばかりで無く、長い鉄釘を用意して行って、頭へ深く打ち込んだのです。こんにちならば検視のときに発見されるでしょうが、むかしの検視はそんな所まで眼がとどきません。男と違って、女は髪の毛が多いので、釘を深く打ち込んでしまうと、毛に隠されて容易に判りません。これなぞも大工の考えそうなことで、長い釘を一本打ち込むのでも、素人では手際よく行かないものです。
頭へ釘を打ち込まれたら即死の筈です。そのお半が長助に武者振り付いたというのは、ちっと理窟に合わないようですが、長助は確かにむしり付かれたと云っていました。この長助は職人のくせに、案外に気の弱い奴ですから、内心怖いと思っていたので、死骸が自分の方へでも倒れかかって来たのを、むしり付かれたと思ったのかも知れません。
わたくしが掃部宿へたずねて行った時に、長助がなんだかびくびくしているのは変だと思いましたら、案の通り、浅草の観世物小屋へ因縁を付けに行って、幾らか貰って来たんです。