Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ますおとし

枡落し

山本 周五郎

Lesen Sie 枡落し (ますおとし) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 33.765 Zeichen · 67 Bildschirme

Aozora Bunko

その夜も躯じゅうが酒臭くなるほど飲み、水天宮の近くの安宿へ、倒れ込むようにして泊った。

――すると、もう明けがた近くだったでしょうか、変な声がするのであっしは眼がさめました、辰あにいが起きあがって、腕組みをして考えこんでいるんでさ、あっしがどうしたのかってきくと、いやな夢をみてうなされたっていう、三十に手の届こうという男が、夢をみてうなされたっていうのは可笑しかった、辰あにいはおれのほうをじろっと睨みました、もともとどすのきいた男ぶりなんだが、あっしを睨んだそのときの顔は、肝がちぢむような凄みを帯びていましたっけ、ほんとですよええ。

千太あにきのことだ、笑いごっちゃあねえぞ、と辰は眉をしかめながら云った。そして、しかめた眉をもっとしかめながら、千太郎の人殺し兇状は無実であり、本当の下手人はほかにいること、それを自分は現場で見ていたし、自分が見ていたのを千太郎が知っていたのだという。牢の中で千太郎に問い詰められたとき、大蛇の辰は口がきけなかった。千太郎はべつに咎めるようすはなく、牢から出てその気になったら、本当の下手人がほかにあり、それがいまでも御府内にいることを、どういう方法でもいいから証明してくれ、と云った。