Japanische Klassiker mit Furigana
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
Lesen Sie 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 167.285 Zeichen · 330 Bildschirme
、婚約はそのまま、というふうな態度を示されていた」
――しかしそれについては。
「まあ聞け。おれもそのためにいろいろ手を尽して来たし、家中の内紛はいよいよ深く、確実になりつつある、だが、この内紛がどこまでいったら老中の手がはいるか、また、いざというときに、はたして三十万石がおれのものになるかどうか、という点に疑いがあった、雅楽頭という人物には信じきれないところがある、土壇場でくるっと背を向けそうだ、という感じがだんだんつよくなって来た」
――私には思いもよらぬ仰せです、さようなことがあろうとは、夢にも思いませんでしたが。
「むろんけぶりにも出しはしなかった、しかし心では絶えず警戒をしていたのだ、それで今日は二カ条について談合を申しいれたところ、まったく意外にも、婚儀は来春ときまったし、他の一カ条も、まあ、これを見ろ」
――拝見つかまつります。
「どうだ、隼人はどう思う」
――これは、三十万石分与の証文でございますな。
「おどろいたか」
――六十万石、分割のとき到らば、三十万石を一ノ関に分与すべし。
「侯の自筆自署だぞ」
――これは、これは。
「同文の誓紙二通、侯とおれと連署して、一通はおれ、一通は侯の手許におかれた」