Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

もみノきはのこった

樅ノ木は残った

山本 周五郎

Lesen Sie 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 167.285 Zeichen · 330 Bildschirme

Aozora Bunko

「九郎左衛門の側女、それが柿崎の妹だったというのか」

甲斐は口をつぐみ、そうだったのか、と心のなかで呟いた。いつか酒井邸で、見おぼえのある待女が一人いた。のちに、中黒達弥からの手紙で、その侍女が柿崎の妹らしい、ということを知ったのであるが、渡辺九郎左衛門の側女だったとすると、見おぼえがあると思ったのは誤りではなかった。

――たしか、滝尾という名であった。

甲斐はそう思いながら、新八に向かって、「それからどうした」とあとを促した。

新八は話した。彼はすべてを語った。六郎兵衛との関係はもちろん、おみやのこと、お久米のこと、湯女を買いにゆくため、石川らの道場の金をごまかしたことまで、誇張もしないが、少しも隠さずに語った。ふしぎなことに、とうてい口には出しかねるような、恥ずかしいことを告白しながら、新八は却って、解放感とやすらぎを感じ、自分が清められるようにさえ思った。

新八はいま、怯まない眼つきで、甲斐を見て云った、「これでさっぱりしました、どうか目付役へ引渡して下さい、どんな罰でもよろこんで受けます」

「考えておこう」と甲斐が静かに云った、「その年にしては、手痛い経験をしたようだ、おまえのまいっている気持も、およそ察しがつくし、いさぎよく罰を受けようという気持もわかる、だが、いそぐことはない、藩でどういう処罰