Japanische Klassiker mit Furigana
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
Lesen Sie 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 167.285 Zeichen · 330 Bildschirme
「名をなのれ」
「大藤五郎太、そっちの名も聞こう」
「大藤五郎太か、よし」と七十郎は次の男を見た、「そのでかいのもなのれ」
「きさまこそなのれ」と大藤五郎太が叫んだ、「ひとになのらせておいて、自分がなのらないという法があるか」
「田舎者だからな」と七十郎は云い、それから、もういちど躯の大きな若侍に、「名前を聞こう」と云った。
その若侍は髭のほうを見、そして、担いでいた大槍を地面に立てながら、横田凉軒、となのった。
「そっちの男のも聞こう」と七十郎が云い、大藤五郎太が「ふざけるな」と絶叫した。
「ふざけるな、人を嘲弄するなこの田舎者、勝負だ」
そして大刀の柄を握った。
里見十左衛門が笑い、七十郎は三人めの男を見ていた。おい、名をなのっておけ、と七十郎が云った。どうせおまえも勝負するんだろう、まかり違えば死ぬかもしれない、名がわからなくては墓をたてるのに困るからな、七十郎がそう云い終らないうちに、五郎太が刀を抜いた。
七十郎は三人めの若侍を見たままで、その若侍と横田凉軒とは、じりじりと左右へひらいてゆき、凉軒は槍を持ち直した。
「やめろ、七十郎」と十左衛門が呼びかけた、「そんな若輩を相手にどうする、捨てておけ捨てておけ」