Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

もみノきはのこった

樅ノ木は残った

山本 周五郎

Lesen Sie 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 167.285 Zeichen · 330 Bildschirme

Aozora Bunko

断章(十一)

「十左衛門か」

「里見十左衛門です」と七十郎は云った、「彼は問罪の書状を持って、一ノ関を追いまわしていました、面会はむろん拒絶されましたし、途上で捉まえようとしたが失敗しました、それで十左はますます怒り、一ノ関まででかけてゆくと云っています」

甲斐はそっと眼を伏せた。

「どうしても直接に会って、責任をとるように談判し、きかないときには刺し違えて死ぬ、と云っています、十左はまじめですからね、彼は決して食言しない男です、危ないのは私ではなく、兵部少輔宗勝ですよ」

「さて、――用談は終ったらしいな」と甲斐は静かに立ちあがった、「ゆっくり飲んでいるがいい、私は宮崎筑後に招かれている、――もういちど云うが、旅へ出るなら、早いほうがいいぞ」

断章(十一)

――一大事だ、御家老を早く。

「触るな、足に触るな」

――大槻さまに、早く。

――散るな、まわりを固めろ、曲者はまだいるかもしれぬぞ。

「その足に触るな、放せ」

――おそれながら暫く御辛抱のほどを。

「放せ、その手を放せ」

――ここは危のうございます。黒沢の谷地まで御辛抱のほどを。

――散るな、みな集まれ。

――みな集まれ、お側をはなれるな、まわりを固めろ。