Japanische Klassiker mit Furigana
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
Lesen Sie 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 167.285 Zeichen · 330 Bildschirme
甲斐を「一ノ関の与党」であると、安芸が云いだしてから、甲斐を敬慕していた多くの者が、甲斐からはなれたし、中には悪意をいだくようになった者さえある。仙台では血気の若者たちの一部に、原田を除け、という空気さえ出て来たということで、それは期していたことではあるが、さすがに安芸も気がかりになっていた。
「十左には会いませんが」と甲斐が云った、「仙台の屋敷へ七十郎が訪ねて来まして、あらまし話しは聞いております」
「七十郎というと」
「小野の一族で、故新左衛門の義弟に当る者です」
「うん、知っている」
「十左が一ノ関と刺違えるとか申しておりましたが」
「ここへまいったときも、十左はそのように申していた、さようなことをすれば、酒井雅楽頭が黙ってはおるまい、必ず老中を動かして、六十万石に手をつけるであろう、断じてならぬと申しつけておいた」
「一ノ関は用心ぶかい人ですから、刺違えるなどということは、不可能でしょうが、それよりも、十左が諸方へまわしている書状、一ノ関を弾劾した書状のほうが、十左のために案じられるのです」
「一徹な気性で、やむにやまれぬらしい、おれの申すことなども、なかなか承知せぬようだ」