Japanische Klassiker mit Furigana
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
Lesen Sie 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 167.285 Zeichen · 330 Bildschirme
――証人がいたのですか。
「現に見ていた者があり、原田にしかじかと告げたのだ」
――事実をですか。
「失心して倒れ、舎人は助け起こしたにすぎないということをだ、そして、自分は証人になってもよい、と云ったそうだ」
――しかも、原田どのは黙っていたのですか。
「家禄召し上げ、領内より追放という処置に対して、ひと言も抗議をせず、顔色さえ変えずに、黙って連署をした、どうも不審だ、毒害の事のときには、おれはうまうまはめられたと思った、厩橋侯にそう云われて気がついたのだが、むろんはっきりしたことではない、厩橋侯は、うまくもみ消されたのだ、と云われた、せっかく、幼君毒害の陰謀、という事実ができたのに、うまくもみ消されて、大事の機会を失った。甲斐めにいっぱいくわされたのだ、と云われた、だが、家中に血気の者どもが多く、おれを悪人だと覘っている、原田がそう申していたし、そういう不逞の徒の少なくないことは事実だ、おれには三十万石分与の機会も惜しいが、東市正の危険を賭けるわけにはいかぬ、そうではないか」
――仰せのとおりに存じます。
「厩橋侯はまえから、原田は信じかねる、と云っておられた、おれは手の内の人間だとみていたが、毒害の事のときから、彼の挙措に改めて注意し始めた、彼の周囲にも、身辺にも、人を配り、網を張った、以前にやったより