Japanische Klassiker mit Furigana
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
Lesen Sie 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.078 Zeichen · 285 Bildschirme
――いま内膳の申すところでは、首途の祝宴を張り、菩提寺の僧に法名をつけてもらったということですが、これは死を覚悟した証拠でございましょう。
「田舎者はこけおどしが好きだ、しかし、涌谷のじじいがそこまでやるというのは尋常なことではないかもしれぬ」
――厩橋侯へおいであそばしますか。
「案を練ってからにしよう」
――御思案がございますか。
「こんどこそものにしなければならぬ、こんな機会はまたとあるものではない、とすれば、こっちでも充分に手を打って、外れることのないように下拵えをしなければならぬ」
――船岡どのはいかがですか。
「船岡、原田甲斐がどうした」
――始終を話してお味方にひきこむのです。
「それはだめだ」
――私はずっと以前から眼をつけていました。お上が信じあそばすようになってからも、私は心ゆるせぬ人物とみておりましたが、そのために彼の力量がわかったと申しましょうか、いまこそ彼をお味方にひきいれるときであり、それがうまくゆけば、千人の味方を得るよりも大きい力になると存じます。
「甲斐はいまのままでいい」
――お口返しをするようですが。
「その必要はない、事が成就したばあい、厩橋の意向ではおれが三十万石、立花家に二十万石、白石(片倉小十郎)に十万石を分与するということだ」