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Japanische Klassiker mit Furigana

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もみノきはのこった

樅ノ木は残った

山本 周五郎

Lesen Sie 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.078 Zeichen · 285 Bildschirme

Aozora Bunko

「そうだからそうだと云ったまでだ」

「お気の毒ですけれど、殿さまはそんな方じゃありません、お客さんの云うことは、筍笠が冠の悪口を云うようなもんです」

「こいつ」と七十郎は腰を浮かした。

殴りつけようとしたのであるが、手をあげるまえにはっと気がつき、「こいつ」とにが笑いをして、危なくわれを抑えた。ふじこはなんだという眼つきで七十郎を見、それから鼻の頭へ皺をよせた。

「わたしたちが猟小屋へゆくのは夕方です」とふじこは云った、「みんなで酒と肴を拵えて持っていって、酒も手づくりだし、肴も山女魚や鮎や鰍なんかの煮浸しとか、茸とか自然薯とか、野菜の煮たのぐらいで、そこらのちょっとした旦那なんかでも、箸もお出しなさらないような物ばかりですよ、それを殿さまはよろこんで喰べて下さるし、ときには御自分の酒や肴を、わたしたちに分けて下さるというふうです」

「おれは与五の小屋へはいったことがある」

「あのじいさまも、お客さんと同じようなことを考えていたらしいですよ」とふじこが云った、「お客さんも与五のじいさまも、ほかのたいていの人がそんなふうに思っていたようです、殿さまはどこでも女衆に好かれるし、世間の人たちのように、おら女は嫌えだ、なんて顔はなさいませんからね、そうですよ、わたしたちは猟小屋で、殿さまと夜明しで話したこともあるし、並ん