Japanische Klassiker mit Furigana
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
Lesen Sie 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.078 Zeichen · 285 Bildschirme
「そのほうがよろしければ」
「実のものに紛れはあるまいな」
「御助力が願えるのですか」
「わからぬ、いまはなんと云いようもない」と大和守は自制するように云った、「だがおれにできることはやってみよう、いま思い返すと」そこで急に声をおとした、「――万治のおりに忠告したということは、おれ自身、知らずして一と役買ったという結果になるかもしれない、むろん、幕府にそんな意図がある筈はなし、ここで六十万石を取潰すなどということができるわけもないが、またそのほうの懸念にも一理はあるようだ」
「御助力が願えるのですか」
「評定の席で会おう」と云って大和守は、誰ぞいるか、と呼びかけ、小姓が来ると佩刀を持たせて立ちあがった。甲斐はまだ見あげてい、大和守は振返って、甲斐の眼をみつめた、「――世間ばなしは面白かった、土産の酒もたのしみにしよう、またまいれ」
甲斐は静かに両手を突いた。
断章(十五)
「不味い、この酒はなんだ、不味いぞ」
――ただいま、ただいますぐに。
「内膳はまだか、只野はまだ帰らないのか」
――もはや戻るじぶんでございます、どうぞいま暫く。
――申上げます。
「助左か、なんだ」