Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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わすれえぬひとびと

武蔵野

国木田 独歩

Lesen Sie 武蔵野 (わすれえぬひとびと) von 国木田 独歩 (くにきだどっぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 94.018 Zeichen · 192 Bildschirme

Aozora Bunko

自分は笑いながらこれを見ていた。

水野は、これだけはご免だとまじめで言う、いよいよ他の者はこいつおもしろいと迫る、例の酒癖がついに、本性を現わして螺のようなやつを突きつけながら、罰杯の代にこれだと叫んだ。強迫である。自分はあまりのことだと制止せんとする時、水野、そんな軽石は畏くないが読まないと変に思うだろうから読む、自分で読むと、かれは激昂して突っ立った。

「一筆示し上げ参らせ候大同口よりのお手紙ただいま到着仕り候母様大へん御よろこび涙を流してくり返しくり返しご覧相成り候」

何だつまらない! と一人の水兵が笑いだした。水野はかまわず、ズンズン読む、その声は震えていた。

「ついてはご自身で返事書きたき由仰せられ候まま御枕もとへ筆墨の用意いたし候ところ永々のご病気ゆえ気のみはあせりたまえどもお手が利き候わず情けなき事よと御嘆きありせめては代筆せよと仰せられ候間お言葉どおりを一々に書き取り申し候

必ず必ず未練のことあるべからず候

母が身ももはやながくはあるまじく今日明日を定め難き命に候えば今申すことをば今生の遺言とも心得て深く心にきざみ置かれたく候そなたが父は順逆の道を誤りたまいて前原が一味に加わり候ものから今だにわれらさえ肩身の狭き心地いたし候この度こそそなたは父にも兄にもかわりて大君の御為国の為勇ましく戦い、