Japanische Klassiker mit Furigana
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ほうねんぎょうでん
法然行伝
中里 介山
Lesen Sie 法然行伝 (ほうねんぎょうでん) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 66.110 Zeichen · 131 Bildschirme
講じて貰うことになったが、南都の三論法相の碩学が多く集った中に大衆二百余人各々肌に腹巻を着て高座の側に列んでいて、自宗の義を問いかけて、誤りがあらば耻辱を与えてやろうと仕度をしていたが、法然はまず三論法相の深義を述べて次ぎに浄土一宗のこと、末代の凡夫出離の要法は、口称念仏にしくものはない、ということを説いた処が二百余人の大衆よりはじめて随喜渇仰極まりなく、中には東大寺の一和尚、観明房の已講理真は殊に涙にむせんで、
「こうして八十の年まで長生きをしたのは偏にこのことを聴かんが為であった」といって悦んだ。
その序に天台円頓の十戒を解説したが、叡山は大乗戒、この寺は小乗戒と述べたので大衆が動揺したけれども、古老が申しなだめることがあって無事に済んだ。
法然は和歌を作ることを好んではやらなかったけれども、我国の風俗に従って、法門に事よせては時々和歌を作られたこともある。それを門弟が記し伝えたり、或は死んだ後に世間へ披露されたもののうちに、
春
さへられぬ光もあるをおしなべて
へだてがほなるあさがすみかな
夏
われはただほとけにいつかあをひぐさ
こころのつまにかけぬ日ぞなき