Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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うきぐも

浮雲

二葉亭 四迷

Lesen Sie 浮雲 (うきぐも) von 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.980 Zeichen · 222 Bildschirme

Aozora Bunko

と差俯向く、その顔を窺けば、おやおや泪ぐんで……

「ま呆れけえッちまわア!」と母親はあきれけエッちまッた。「たンとお脹れ」

とは云ッたが、又折れて、

「世話ア焼かせずと、お出でよ」

返答なし。

「ええ、も、じれッたい! 勝手にするがいい!」

そのまま母親は奥坐舗へ還ってしまった。

これで坐舗へ還る綱も截れた。求めて截ッて置きながら今更惜しいような、じれッたいような、おかしな顔をして暫く待ッていてみても、誰も呼びに来てもくれない。また呼びに来たとて、おめおめ還られもしない。それに奥坐舗では想像のない者共が打揃ッて、噺すやら、笑うやら……肝癪紛れにお勢は色鉛筆を執ッて、まだ真新しなすういんとんの文典の表紙をごしごし擦り初めた。不運なはすういんとんの文典!

表紙が大方真青になッたころ、ふと縁側に足音……耳を聳てて、お勢ははッと狼狽えた……手ばしこく文典を開けて、倒しまになッているとも心附かで、ぴッたり眼で喰込んだ、とんと先刻から書見していたような面相をして。

すらりと障子が開く。文典を凝視めたままで、お勢は少し震えた。遠慮気もなく無造作に入ッて来た者は云わでと知れた昇。