Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
せんこうてい「ハビヒツブルグ」
潜航艇「鷹の城」
小栗 虫太郎
Lesen Sie 潜航艇「鷹の城」 (せんこうてい「ハビヒツブルグ」) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 132.395 Zeichen · 263 Bildschirme
その刹那、ウルリーケの顔が、ビリリと痙攣して、細巻が、華奢な指の間から、滑り落ちた。
「で、最初にそれが、艇長の発作を死と誤らせました。なぜなら、元来その病は、上肢にも下肢にも、どちらにも片側だけに起るもので、体温は死温に等しくなり、また、脈は血管硬化のために、触れても感じないというほど、微弱になってしまうのです。
艇長が、その発作を利用して、死を装ったことは、あの場合すこぶる賢明な策だったでしょうが、そうして跛行を引きつつ発射管室の方に歩んで行ったのを、僕らは、跛行者のシュテッヘと早合点してしまったのです。
またそうなると、あの暗黒世界の中に、しんしんと光が差し込んでくるのです。
ふと僕は、その後の艇長に、世にも奇異な生活を描き出すことができました。まったく結果だけを見たら、それが、あのまたとない一人三役――ねえ夫人、貴女はたぶん、それを御存知ないのでしょうね」
「いいえ、その病だけは、いかにも真実でも、……現在のテオバルトは違いますわ。あの維納の鉄仮面――ヘルマンスコーゲルの丘に幽閉されている囚人が、実はそうなのでございます」
とウルリーケは必死に叫んで、内心の秘密を吐き尽してしまったかに思われた。