Japanische Klassiker mit Furigana
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せんこうてい「ハビヒツブルグ」
潜航艇「鷹の城」
小栗 虫太郎
Lesen Sie 潜航艇「鷹の城」 (せんこうてい「ハビヒツブルグ」) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 132.395 Zeichen · 263 Bildschirme
そうして、目されていたヴィデが襲われず、朝枝が犠牲になった事は、法水の観念に一つの転機をもたらした。
彼はウルリーケを招いて、さっそくに切り出したものがあった。
「またまた、菩提樹の葉と十字形なんですが、僕は今になって、ようやく貴女の真意を知ることができました。そして、今まではシュテッヘという名で怖れられていた悪鬼に、いよいよ改名の機が迫ったのです。ねえ夫人、現に、今も朝枝の頸を絞めたものは、シュテッヘではなく、フォン・エッセン艇長だったのです」
「何をおっしゃるんです」
とウルリーケは屹然と法水を見据えたが、検事はその一言で、木偶のように硬くなってしまった――なぜなら、彼の云うのがもし真実だとすれば、あれほど厳然たる艇長の死が、覆されねばならないからである。
法水は、躊わず云いつづけた。
「ところで、いつぞやは、それと快走艇旗との符合に、僕らはさんざん悩まされたものです。しかし、それも今となると、偶然にしては、あまりに念入りな悪戯でしたね。貴女がそうして、ジーグフリードの弱点を暗示した理由には、ただ単に、そういっただけの意味しかなかったのです。つまり、艇長には、固有の発作があったので、たしか僕は、それが間歇跛行症だと思うのですが……」