Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

せんこうてい「ハビヒツブルグ」

潜航艇「鷹の城」

小栗 虫太郎

Lesen Sie 潜航艇「鷹の城」 (せんこうてい「ハビヒツブルグ」) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 132.395 Zeichen · 263 Bildschirme

Aozora Bunko

と、湯の面にぴしゃりと何かを叩きつけたらしいのです。

「パドミーニ、パドミーニってば……」

そういって、ミス・ヘミングウェーはしばらくのあいだ、耳を澄ますようにじっと湯の音をさせませんでした。

「じゃ誰よ、そこにいんのは? さっきから、かさこそ音をさせていて、給仕?」

「いや、僕です。パドミーニは、さっきからここには居りません」

「ああ、なんだ、チャンドさんか」

しかし私は、爽やかな、処女を粧るさまざまな香りに、こう隣ったことを、たいへん有難く思いました。

とやがて、

「チャンドさん」

と羞らったような声で、

「ちょっと、あんたにお願いがあるんだけど、……実はパドミーニがいないんで、お願いするんだけど……、そこにある、三角海綿をここへ持ってきてくれない?」

とたんに、私は、ぱちぱちっと瞬きました。ゆらゆら、鍵穴を洩れる湯気が、肢体のように妖しく見えます。

「でも……」と、やっと返辞はしたが、子供のような答えです。すると、ヘミングウェー嬢は、

「アラ、厭なの。じゃ、何かそこでしていんじゃない? 抽斗や、下着入れを覗いているんだったら、今のうちに蔵うことよ……」

やがて私は、パドミーニが出しわすれていた三角スポンジを手に、把手をやんわりとひねっていました。