Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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せんこうてい「ハビヒツブルグ」

潜航艇「鷹の城」

小栗 虫太郎

Lesen Sie 潜航艇「鷹の城」 (せんこうてい「ハビヒツブルグ」) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 132.395 Zeichen · 263 Bildschirme

Aozora Bunko

左枝は、お勢の室の前まで来ると、早苗を振り向いて、

「これで、分ったろうね。今夜はぜひ、女将を問い訊さなきゃア、ならないことがあるのだ」

しかし、扉を叩いても返事がなく、やがて階下の炊事場にいるのを発見した。が、お勢は、左枝の視線を見返して、

「だいぶ今夜は、お前さん、気込んでいるらしいが、なんだい、ここでお悦の身体を焼きたいとでも云うのかね」

「君に三伝を出してもらいたいんだ。どこにいる、あの稲野谷兵助は、三伝の別名じゃないか」

「え、なにを云うのさ」

それには、まったく意外という、その表情は、左枝に全然予期されていたものではなかった。

「お前さん、揶揄うのも、いい加減にしてもらいたいもんだよ。せめて、三伝がこの私だと云っておくれよ。知ってのとおり、あれまで上海にいたんだからね。顔も知られちゃいないし、せめて私と云うなら、ものの筋が立っているけど、お前さんのように、稲野谷が三伝だなんて云うんじゃ、私がいま、ここに竦んでいるのが、とんだ酔興ってことになるよ」

左枝は、杜絶れた言葉の間に、相手の顔の動きを凝っと見詰めていたが、

「今夜だって、そうじゃないか。