Japanische Klassiker mit Furigana
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せんこうてい「ハビヒツブルグ」
潜航艇「鷹の城」
小栗 虫太郎
Lesen Sie 潜航艇「鷹の城」 (せんこうてい「ハビヒツブルグ」) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 132.395 Zeichen · 263 Bildschirme
二、裏向きお岩
を、本気で禁めていたという理由が分ったよ」
と云った法水の声も、耳に入らないかのよう、儀右衛門は気味悪げな、薄笑いを浮べて云った。
「さすが、先生だけにお察しは早えが、なによりわっしが知りてえのは、お母ろのことなんですよ。
人魚の首と、腰からしたをぶった切ってしまえば、それはただの首無し女にすぎねえじゃありませんか。
わっしは、上陸したクイロスはじめの人たちを見て、さぞ里虹が魂消ただろうと――実際首丈ほどもねえ大男なんて、この世の何処にあろうもんかな。
それから先生、近頃じゃわっしも、臥床に入ると、爪先から脈の音が聴えるようになりましたが、そうするとお母ろが、毛孔から海の匂いを吹き入れてくれて、すっかり雲のように、わっしを包んでくれるんですよ」
二、裏向きお岩
それは狂気の合間合間に現われる、綺びやかな夢幻のようなものだった。
いわば、それまで厭わしさに充ちていた現実の一部が、ここではっきりと、魅力あるお伽噺に変えられた。儀右衛門は、そうと知って以来母なる人魚に、それはわななくような、憧れを抱きはじめたのである。
おりおり母は、軟体動物が潜り込んでいる、割目を覗き込んで、無残にも軟らかな肢を引きちぎったり、あるいは苔の上を、滑べるようにして岩礁を乗り越え、噴き水を避ける時には、たぶん銀の腮や、貝殻のような耳