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Japanische Klassiker mit Furigana

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せんこうてい「ハビヒツブルグ」

潜航艇「鷹の城」

小栗 虫太郎

Lesen Sie 潜航艇「鷹の城」 (せんこうてい「ハビヒツブルグ」) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 132.395 Zeichen · 263 Bildschirme

Aozora Bunko

それが、自然の本性に反した、不倫な慾求であることは云うまでもない。さらにまた、一種の心理的畸形とでも云えるだろうが、しかし、畸形はけっして奇蹟ではないのである。

いつとなく、儀右衛門の心を、あの聴くだに厭わしい、骨肉愛の悩みが蝕んでしまったからだ。それが、クラフト・エーヴィング教授の云うように、美しい母を持った者は、美しい女性に対して、驚くべきほどプラトニックであるとすれば、とりもなおさず儀右衛門のそれは、一種の女性恐怖にほかならないであろう。

彼は、そうした悪夢の中を漂い、人間に与えられた地獄味の中で、わけても、味のもっとも熾烈な、一つを味いつづけていたのである。

やがて、永い沈黙の後に、法水が口を開いた。

「しかし友田屋、これは、少し無理かもしれないがね。人魚も骨肉相姦も、当分のうちは、神話の中に収っておいたら、どんなものだろう」

と云って、儀右衛門がもじもじしているうちに、何を思いついたか、法水の表情が、いきなり硬くなった。

「ところで、もう一つ訊きたいのは、いまの君の考えだが、それを最近思いついたのならいいがね。もしあの晩だとすると、君が里虹を殺したといっても、けっして心理的に不自然ではないのだ」