Japanische Klassiker mit Furigana
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せんこうてい「ハビヒツブルグ」
潜航艇「鷹の城」
小栗 虫太郎
Lesen Sie 潜航艇「鷹の城」 (せんこうてい「ハビヒツブルグ」) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 132.395 Zeichen · 263 Bildschirme
だが儂は、あのおり『鷹の城』の脱出を耳にしたとき、ふと暗い迷信的な考えに圧せられました。
と云うのは、元来あの艇は、ゲルマニア型として墺太利帝国最初の潜航艇だったのですが、その中膨れのした船体を御覧になって、これはキムブルガーの唇(ハプスブルグ家代々の唇の特徴)じゃ――と陛下が愛でられたほどに由緒あるもの――それが沿岸警備にもつかず、塗料の剥げた船体を軍港の片隅に曝らしていたのは何が故でしょうか。
それは、シュテッヘ大尉の消失――そのトリエステ軍港の神秘が、そもそもの原因だったのです。
一九一四年開戦瞬前に起って、さしも剛毅な海兵どもを慄え上がらせたというその不思議な出来事は、いま耳にした艇長屍体の消失と、生死こそ異なれ、まったく軌道を一つにしているではありませんか。
夫人は御承知でしょうが、シュテッヘ大尉は、フォン・エッセン閣下の莫逆の友でありまして、同じ快走艇倶楽部でも、シーワナカの支部に属しておりました。
ところが、決闘の結果同僚の一人を傷つけて、査問されようとするところを、艇長がUR―4号の奥深くに匿したのです。
ところが、ヴェネチア湾を潜航中不思議な事に、シュテッヘ大尉は忽然と消え失せてしまいました。