Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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せんこうてい「ハビヒツブルグ」

潜航艇「鷹の城」

小栗 虫太郎

Lesen Sie 潜航艇「鷹の城」 (せんこうてい「ハビヒツブルグ」) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 132.395 Zeichen · 263 Bildschirme

Aozora Bunko

そこは、ウルリーケの室に続く合いの扉で、わずかに透いた隙間から、室内の模様が手にとるごとく見えた。壁には、脂っぽい魚油が灯されていて、その光が、枢の上の艇長の写真に届いているのだが、その下で、ウルリーケがぼんやりと海を眺めている。

その前方には、防堤が黒いリボンのように見えて、その上に、星が一つまた一つとあらわれてくる。

しかし、検事はその遠景でなしに、なにを認めたのであろうか、思わず眼をみはって吐息を洩らした。

なぜなら彼は、夫の死にもかかわらず、華美な平服に着換えた、ウルリーケを発見したからである。

「こりゃ驚いた――あの女は亭主が殺されるまでは、喪服を着ていて、死んでしまうと、今度は快走艇着に着換えてしまった。明らかにウルリーケは、八住を卑下しているんだ。だが、どう考えても、犯人じゃないと思うね。自分の熱情の前には、何もかも忘れて、ただそれのみを、ひたむきに露出してしまうのだ。ねえ法水君、そういった種類の女には、きまって犯罪者はいないものだよ」

と旧の卓子の所まで戻って来ると、彼は小声で法水に囁いた。

「だが一応は、アマリリスを調べてみる必要があると思うね。