Japanische Klassiker mit Furigana
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せんこうてい「ハビヒツブルグ」
潜航艇「鷹の城」
小栗 虫太郎
Lesen Sie 潜航艇「鷹の城」 (せんこうてい「ハビヒツブルグ」) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 132.395 Zeichen · 263 Bildschirme
ですから、その後貴女の閨を訪れた人も、コマンドルスキーの海底でこの世を去った艇長も、同様シュテッヘでありまして、しかもなお奇異な事には、艇長はそのまま『鷹の城』の中で肉眼には見えぬ不可解な生活を続けていたのです。ですから、僕はいま、その漂浪える人を、防堤の上で証明しようとしているのですよ」
「そうしますと法水さん。その一人二役の意味を、童話以上のものに証明お出来になりまして」
とウルリーケは嘲るように云ったが、その声にも、羞恥と憎悪の色を包み隠すことはできなかった。
「だいたい他人の姿に変るということは、小説では容易であっても、事実は全然不可能だろうと思われるのです。それでは、シュテッヘの顔を御存知なのでいらっしゃいますか。実は一枚、あの方の写真があるのですけど、それはまだ、お眼にかけてはおりません」
「ところが夫人、だいたいが、トリエステの早代りさえも映ろうという僕の眼に、そんなものは、てんから不必要なのですよ。たしかシュテッヘは、黒髪で、細い唇よりの髭と、三角の顎髯をつけておりましたね。そして、だいたいの眼鼻立ちや輪廓が、艇長と大差なかったのではありませんか」