Japanische Klassiker mit Furigana
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とうみょうのまき
灯明之巻
泉 鏡花
Lesen Sie 灯明之巻 (とうみょうのまき) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 23.444 Zeichen · 47 Bildschirme
が、曾祖、祖父、祖母、なおその一族が、それか、あらぬか、あの雲、あの土の下に眠った事を、昔話のように聞いていた。
――家は、もと川越の藩士である。御存じ……と申出るほどの事もあるまい。石州浜田六万四千石……船つきの湊を抱えて、内福の聞こえのあった松平某氏が、仔細あって、ここの片原五万四千石、――遠僻の荒地に国がえとなった。後に再び川越に転封され、そのまま幕末に遭遇した、流転の間に落ちこぼれた一藩の人々の遺骨、残骸が、草に倒れているのである。
心ばかりの手向をしよう。
不了簡な、凡杯も、ここで、本名の銑吉となると、妙に心が更まる。煤の面も洗おうし、土地の模様も聞こうし……で、駅前の旅館へ便った。
「姉さん、風呂には及ばないが、顔が洗いたい。手水……何、洗面所を教えておくれ。それから、午飯を頼む。ざっとでいい。」
二階座敷で、遅めの午飯を認める間に、様子を聞くと、めざす場所――片原は、五里半、かれこれ六里遠い。――
鉄道はある、が地方のだし、大分時間が費るらしい。
自動車の便はたやすく得られて、しかも、旅館の隣が自動車屋だと聞いたから、価値を聞くと、思いのほか廉であった。