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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぎゅうにくとばれいしょ

牛肉と馬鈴薯・酒中日記

国木田 独歩

Lesen Sie 牛肉と馬鈴薯・酒中日記 (ぎゅうにくとばれいしょ) von 国木田 独歩 (くにきだどっぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 54.018 Zeichen · 109 Bildschirme

Aozora Bunko

敷居に立って豆洋燈を高くかかげて真闇の隅々を熟と見ていたが、竈の横にかくれて黒い風呂敷包が半分出ているのに目が着いた。不審に思い、中を開けて見ると現われたのが一筋の女帯。

驚くまいことか、これがお政が外出の唯た一本の帯、升屋の老人が特に祝わってくれた品である。何故これが此所に隠してあるのだろう。

自分の寝静まるのを待って、お政はひそかに箪笥からこの帯を引出し、明朝早くこれを質屋に持込んで母への金を作る積と思い当った時、自分は我知らず涙が頬を流れるのを拭き得なかった。

自分はそのまま帯を風呂敷に包んで元の所に置き、寝間に還って長火鉢の前に坐わり烟草を吹かしながら物思に沈んだ。自分は果してあの母の実子だろうかというような怪しい惨ましい考が起って来る。現に自分の気性と母及び妹の気象とは全然異っている。然し父には十の年に別れたのであるから、父の気象に自分が似て生れたということも自分には解らない。かすかに覚えているところでは父は柔和い方で、荒々しく母や自分などを叱ったことはなかった。母に叱られて柱に縛りつけられたのを父が解てくれたことを覚えている。その時母が父にも怒を移して慳貪に口をきいたことをも思い出し、父のこと母のこと、それからそれへと思を聯ね、果は親子の愛、兄弟の愛、夫婦の愛などいうことにまで考え込んで、これ