Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ぎゅうにくとばれいしょ

牛肉と馬鈴薯・酒中日記

国木田 独歩

Lesen Sie 牛肉と馬鈴薯・酒中日記 (ぎゅうにくとばれいしょ) von 国木田 独歩 (くにきだどっぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 54.018 Zeichen · 109 Bildschirme

Aozora Bunko

と台所口から出て去って了った。

自分は腕組みして熟っとしていたが、我母ながらこれ実に悪婆であるとつくづく情なく、ああまで済ましているところを見ると、言ったところで、無益だと思うと寧そのこと公けの沙汰にして終おうかとの気も起る。然し現在の母が子の抽斗から盗み出したので、仮令公金であれ、子の情として訴たえる理由にはどうしてもゆかない。訴たえることは出来ず、母からは取返えすことも出来ないなら、窃かに自分で弁償するより外の手段はない。八千円ばかりの金高から百円を帳面で胡魔化すことは、たとい自分に為し得ても、直ぐ後で発覚る。又自分にはさる不正なことは思ってみるだけでも身が戦えるようだ。自分が弁償するとしてその金を自分は何処から持て来る?

思えば思うほど自分はどうして可いか解らなくなって来た。これは如何なことでも母から取返えす外はと、思い定めていると母は外から帰って来て、無言で火鉢の向に坐ったが、

「どうだね、聞いておくれだったかね?」と言って長い烟管を取上げた。

「何をですか」と自分は母の顔を見ながら言った。

「まア可いサ聞かなかったのなら。然しお前の用というのは何だね?」