Japanische Klassiker mit Furigana
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ぎゅうにくとばれいしょ
牛肉と馬鈴薯・酒中日記
国木田 独歩
Lesen Sie 牛肉と馬鈴薯・酒中日記 (ぎゅうにくとばれいしょ) von 国木田 独歩 (くにきだどっぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 54.018 Zeichen · 109 Bildschirme
とお源は軽く言った。
「頼むと来るよ」とお徳は猶一つ皮肉を言った。
お源は負けぬ気性だから、これにはむっとしたが、大庭家に於けるお徳の勢力を知っているから、逆らっては損と虫を圧えて
「まアそれで勘弁しておくれよ。出入りするものは重に私ばかりだから私さえ開閉に気を附けりゃア大丈夫だよ。どうせ本式の盗棒なら垣根だって御門だって越すから木戸なんか何にもなりゃア仕ないからね」
と半分折れて出たのでお徳
「そう言えばそうさ。だからお前さんさえ開閉を厳重に仕ておくれなら先ア安心だが、お前さんも知ってるだろう此里はコソコソ泥棒や屑屋の悪い奴が漂行するから油断も間際もなりや仕ない。そら近頃出来たパン屋の隣に河井様て軍人さんがあるだろう。彼家じゃア二三日前に買立の銅の大きな金盥をちょろりと盗られたそうだからねえ」
「まアどうして」とお源は水を汲む手を一寸と休めて振り向いた。
「井戸辺に出ていたのを、女中が屋後に干物に往ったぽっちりの間に盗られたのだとサ。矢張木戸が少しばかし開いていたのだとサ」
「まア、真実に油断がならないね。大丈夫私は気を附けるが、お徳さんも盗られそうなものは少時でも戸外に放棄って置かんようになさいよ」