Japanische Klassiker mit Furigana
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おぎふくうた
犀星王朝小品集
室生 犀星
Lesen Sie 犀星王朝小品集 (おぎふくうた) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 105.794 Zeichen · 211 Bildschirme
はじめて見た初春のころの若者の眼のやさしさ、すなおさ、物腰のしずかさなぞはとうに失せ、人の眼附もあれほど急激に変るものだろうかと思われるくらい、彼らの眼つきは粗暴になり何時でも飛びかかるような弾みを持っていて、お互が門前の居場所からはなれない様子は、怖いくらいだと女房たちはいった。はじめに見た武家の御息子様のような初々しい丁寧な言葉づかいも、しだいに失くなったともいった。
「この上はもはや最後にえらぶものをえらぼう。」
と、基経は憂色にとざされ、ものうげにいった。
「わらわのため、かくまで御心労おかけして何とも申訳ございませぬ。」
橘は身をもって詫びたが、基経はそれは問題ではなかった。
「そちにも、若者にも罪はない、これはくすしき宿縁としか思われない、早く処断しよう。」
「と仰せられますと。」
「猟を催そう、その機会に二人にゆっくりわしから話をつけよう。」
橘もそれはかえって事をあきらかにしていいと思った。二人を猟に招んで一日ゆっくりと野に遊んでから、一さいを腹蔵なく話そうといった。
「お前もその日はかれらに逢っておやりなさい。」
「はい。」
「お前はなにもいわずにいた方がいい。