Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
おぎふくうた
犀星王朝小品集
室生 犀星
Lesen Sie 犀星王朝小品集 (おぎふくうた) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 105.794 Zeichen · 211 Bildschirme
舌を噛み切った女
京にのぼる供は二十人くらい、虫の垂衣で蔽うた馬上の女のすがたは、遠目にも朝涼の中で清艶を極めたものであった。袴野ノ麿を真中に十人の荒くれ男が峠路にかかる供ぞろいの一行を、しんとして展望していた。離れ山の洞窟のこの荒くれ男から、少し隔れた切株の上に腰をおろしたわかい女は、なまなましい脚を組んで、やはり山麓をゆく一行を徐に見まもっていた。
「野伏、そちが先に立て。」
あだ名を野伏ノ勝というわかい男は、もう馬を引き出していた。後は総勢であったが、袴野ノ麿はおれが行かなくともよかろうといった。すると切株の上の女はあたしも行くといい、立ち上った。
「すてはならぬ。」
何故ならぬと、すて姫は気色ばんでみせたが袴野はこれには応えない、用意した男たちは密林の中にはいると、一瞬の間に姿を消した。袴野は手めがねをして眼を放さないでいる。どうして一緒にやらないのさ、野伏と一緒だからやきを廻しているのねと、すては密林がそよともしない山凪の中でいった。こんな山で女の声が立つ奇異な生なましい感じ、袴野はすてには答えずに、彼女にちかづくと手を引いて、その肩をいた。余り嫉きすぎるわよ、仕事にも出掛けないであたしに附き切りじゃないの。