Japanische Klassiker mit Furigana
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ねこののみとりぶし
猫の蚤とり武士
国枝 史郎
Lesen Sie 猫の蚤とり武士 (ねこののみとりぶし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.496 Zeichen · 368 Bildschirme
「五十嵐氏を奪い取り、おちつく所はどこでござるかな?」
僧の範円が不安そうに訊いた。
「この森より西南の方へ、三里あまり参りましたところに、青塚と申す郷がござる。家数はわずか二十軒ながら、木曽義仲の残党によって、形成された郷との取り沙汰、住民は一種の郷侍でござって、いわば大和の十津川辺の、農兵のような風格の人々、しかもその郷の長というのが、今も申した佐原重兵衛殿の、遠縁にあたる人でござって、佐原嘉門と申す老人、拙者とは以前より懇意でござって、本来なれば我々義党に、加盟いたすべき人ながら、かえって本格に加盟いたすより、傍流として外にあって、援助を受けた方よろしかろうと存じ、さよういたして置きました仁。で、今回この宿において、決行いたす事件についても、既に話をつけてあります、そういう人物とそういう郷とが、この地にあるゆえこの城下において、事件遂行と決しました次第で」
弁舌さわやかに兵庫は云った。
一同ほとんど感にたえ、
「いつもながら思慮ある鵜の丸殿の計らい……」
「それなら成功疑がいござらぬ」
と、口を揃えて人々は云った。
「ところで今夜決行いたす事件を、松浦民弥殿や菊女殿へ、お知らせいたさねばなりますまいな」