Japanische Klassiker mit Furigana
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ねこののみとりぶし
猫の蚤とり武士
国枝 史郎
Lesen Sie 猫の蚤とり武士 (ねこののみとりぶし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.496 Zeichen · 368 Bildschirme
刃三十郎が民弥や梶子や、鵜の丸兵庫や五十嵐右内や、菊女にまでも見あらわされたことで、三十郎は前後から、それらの人々に挟撃された。が、洞窟には枝路が、碁盤の目のように織られていた。敏捷の三十郎はそれを利用し、一人で五人の男女を相手に、神出鬼没逃げ廻った。
「父の仇、今度こそ遁がさぬ!」
と、切り込んで来た民弥の刀を、苦もなく払って三十郎は、一筋の枝道へ駈け込んだ。
「悪漢!」
と、兵庫が待ちかまえていて、真っ向から切りつけた。
「何を!」
と受けて、左へ流し、三十郎は脱兎の如く、傍の枝路へ躍り込み、それを真っ直ぐにひた走った。
つきあたったところに丁字路があって、その一方から五十嵐右内が、
「姦物!」
とばかり切り込んで来た。
それを三十郎は払いのけ、他の一方へ一散に走った。
とまた十字路が出来ていて、そこに一つの人影があったが、それに三十郎はぶつかった。
「あッ」
という女の声が聞こえた。
それが菊女の声だったので、三十郎は躍りかかり、有無を云わせず横抱きにした。
もがき、叫び、遁がれようとして、菊女は烈しく争ったが、三十郎は放さばこそであった。
抱いたままでひた走った。